TARGET2 2012 7 1

書名 ニューズウィーク日本版 2012 7.4

 欧州に関して、よく言われることは、
財政力があるドイツ、経済力があるドイツということですが、
そのドイツも体力が低下しつつある、
あるいは劣化が進んでいるかもしれません。
(以下、引用)
「最強国ドイツも、ユーロの餌食に?」
 (景気)隣人たちを尻目に好調を維持してきたが、
ついに危機の火の粉が降り掛かり始めた。
財政不安国の救済を急がないと恐ろしい結果に。
(中略)
 それでもドイツには、大きなリスクが残る。
その一因となるのが、ECBが運営する、
ユーロ圏内の即時決済システム「TARGET2」だ。
 このシステムは、ユーロ圏内の銀行間で直接送金する手間を省き、
手続きを迅速化・簡素化するために導入されたもの。
(中略)
 この決済システムでは、
ある国から別の国に資金が移動する場合、
送金元の国の中央銀行が送金先の中央銀行に借金をする形になる。
 つまり、今のギリシャのように資金が流出している国は、
資金が流入しているドイツのような国に巨額の債務を積み上げているのである。
 もしギリシャのような国がデフォルトすれば、
損害は、ユーロ加盟国すべての中央銀行に及ぶが、
最も大きな損害を被るのは、
ドイツの中央銀行であるドイツ連邦銀行だ。
 何しろ、「TARGET2」を通じて、
ほかの国の中央銀行とは比較にならないほど多額の債権を抱えている。
(以上、引用)
 ドイツは、当面は、財政不安国の救済を急ぐ必要がありますが、
長期的には、逃げる準備をしておいた方がよいのではないでしょうか。
それは、ユーロから逃げ出す準備です。
 どんなにドイツが強国でも、
危機が、ギリシャ、スペイン、イタリアと拡大していくと、
もはやユーロを支えることはできません。
「欧州だけでなく、地球規模の問題だ」(バローゾ欧州委員会委員長)
 メキシコで開かれたG20首脳会議で、
欧州の債務危機について述べた言葉。
 各国首脳が、ユーロ諸国に、
あらゆる対策を講じるよう求めると、
バローゾ委員長は、こう反論した。
(以上、引用)
 確かに、ユーロが崩壊すると、
100年の一度と言われた「リーマン・ショック」をはるかに上回ることになります。
今度は、「1000年に一度」という危機になるかもしれません。
 そういう意味で、バローゾ委員長の認識は、正しいわけで、
地球規模の経済危機ですから、
今のところ、地球から逃げ出す手段がない以上、
世界各国は、協力して、ユーロ危機に取り組む必要があります。
 あれほど騒がれた「リーマン・ショック」も、
単なる導火線に過ぎなかったかもしれません。
それは、ユーロ崩壊という巨大爆弾の導火線だったかもしれません。















































































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